MALUI Talk in Kyoto & 名刺交換会2015開催報告

開催概要

2015年6月7日(日)
MALUI Talk in Kyoto 13:30開始/17:00終了
同志社大学 今出川キャンパス 良心館 4階 409教室

近畿地区MALUI名刺交換会 18:00開始/20:00終了
同志社大学寒梅館7階 フレンチレストランWill

告知用ページMALUI Talk in Kyoto & 近畿地区MALUI名刺交換会(2015年度)


登壇者スライド

江上敏哲
イントロダクション
動画 前半0:00)

M 五月女賢司(吹田市立博物館)
国際博物館会議(ICOM)京都招致と博物館(M)における日本情報の海外発信~その課題と展望~
動画 前半10:00)

A 川内淳史(歴史資料ネットワーク事務局長)
自然災害と地域資料―大規模自然災害とアーカイブズ活動―
動画 前半30:30)

L 菊池信彦 (国立国会図書館関西館)
ILL & DH –#ILL出張の経験から–
動画 前半52:30)

U 北村由美 (京都大学附属図書館研究開発室)
日本の文化資源の海外発信
(動画 なし)

I 榎真治 (LibreOffice日本語チーム・オープンデータ京都実践会)
オープンソース・コミュニティにおける海外への情報発信について MALUI Talk in Kyoto
動画 前半1:14:00)


動画

◆MALUI Talk in Kyoto 2015 前半 https://youtu.be/7zUVMAfvUh4
イントロダクション 前半 0:00
M・五月女 前半 10:00
A・川内 前半 30:30
L・菊池 前半 52:30
I・榎 前半 1:14:00
池田 前半 1:35:50

◆MALUI Talk in Kyoto 2015 後半 https://youtu.be/eZPFJP9BL6I
ディスカッション


開催報告

◆Togetter(@arg作成)http://togetter.com/li/831994

◆Togetter(@egamiday作成) http://togetter.com/li/832002


記録

(前半)トークセッションのまとめ (進行:福島)
MALUIそれぞれの立場からとAAS in KYOTOを準備されている池田さん(同志社大学大学院教授)からのトークがあり、それぞれについて、論点確認を主眼とした質疑応答を行いました。
質疑応答の要点は以下のとおりです。
(M 五月女報告について動画 前半10:00))
Q:よそからの思い入れの強いクラスタに対する訴えかけやオープンの仕掛けは?たとえば吹田には操車場もあるが。
A:操車場で働いていた方々の履歴書などをお預かりしている。かなり慎重を要する内容でなんでもオープンにはできない。個人が特定されな い形で考えたい。
ただ、あるものについては出来る限りオープンにしていきたい。
Q:ICOM京都大会の具体像は。
A:世界から3000人程度の専門家が集まり、博物館のあり方に関する国際的な共通認識を議論する。学会というより会議という形。
Q:保存している資料で鑑賞に堪えられない状 態の資料については。
A:基本的には資料を廃棄することはない。修復をして残していく。
(A 川内報告について動画 前半30:30))
Q:東日本大震災の対応は図書館でも行ってい るがアーカイブズとの差は。
A:アーカイブズは被災した地域資料の手当・修復等に主眼がある。
Q:災害時に資料を盗んでどうする?研究には 使えないと考えるが。
A:商品になるので市場に流れます。特にYAHOOオークションなどで見かける。
Q:それは目録のあるものも?
A:行政や大学に補足されているものはまだよい。しかし、まだまだ存在自体が知られてないものが多い。救出の時に目録も作成する。
補足:この課題は非常に京都的。中世の資料がまだまだ出てきたりするなかで、地震リスクも抱えている。
Q:平成25年夏の京都府北部の水害の 際、職員は災害救援に回った。ボランティアと称して盗難があった。
A:史料ネットがうかがって活動させていただいた。災害時の盗難というリスクに地域資料がさらされているのが実情。また災害時には私たちのような活動と行政の仕組みがうまく関係を築ければよい。
(L 菊池報告について動画 前半52:30))
Q:文字データでオープンにする場合、日本 はエンコーディングの問題がある。そのあたりの技術面を含めた状況は。
A:図書館的には技術面も重要だが、テキストデータをともかく作ることが大事。翻デジなどのクラウドでのテキスト化が重要か。
Q:公衆送信権などの制約があり、アメリ カからはデジタルデータでもらえるが、日本からは紙で提供することになる場合が多い。また、国によっては返答がないことがある。海外ILLについての協議機関が充実していればという思いがあるが。
A:ILLのネットワークについては300人ぐらいのフェイスブックのグループがある。またwikiページのまとめもある。
そういった所に積極的に日本からも積極的に関わるべき。
Q:電子書籍プラットフォームでこちらか らも情報発信できる仕組みがある。電子書籍のILLについてはどうか。
A:アメリカでもまだまだの状況。プロジェクトは動いているような状況とのこと。
(U 北村報告について
(質疑は割愛)
(I 榎報告について動画 前半1:14:00))
Q:オープンデータ京都実践会の活動の紹介を。
A:wikipediaやOpenStreetMapをみんなで集まってつくっている。ライセンスフリー かつ自分たちで自由に編集できる地図としてOpenStreetMapは重 要。
補足:今の話はクリエイティブコモンズの議論になる。wikipediaやOpenStreetMap は2次的3次的に使っていくことが出来るのが特徴。そのもとの良質な情報を充実させる活動になている。
Q:ウィキメディアコモンズについては。
A:各種メディアをあげることが可能。ライセンスが明確なのでアウトリーチに強いのでは。
Q:今のアメリカのトレンドでは参加する形が多い。 ハーバードの東日本大震災のサイトでは学生が自由に新しいものを創造していくかたち。参加のあり方と出た情報を使ったクリエイティブな活動については。
Q:小学校3年の授業でOpenStreetMapを活用して いる。どんどんふくらむ。子ども達の目線で地域を捉えることで新しい発見がある。
補足:知的 創造から参加型、という議論になっている。それも参加の 範囲を一挙に10歳の子どもまで広げていただいた。
A: 参加のあり方はアメリカはビジネス、ヨーロッパは自由・民主主義というスタイル。日本はどちらに向くのか。
データだけでなくプログラムが重要。コミュニティがどういう形で出来るかに関係する。オープンソースかどうかに注目を。
(池田報告について(動画 前半1:35:50))
Q:海外で日本研究の支援 をしていると日本語でまず発信することが重要。ローカルなものも含めて海外にどんどん発信を。
このような会合、日本情報の海外発信についてのセッションをAAS in KYOTOで持てるか。
A:是非ご提案いただきたい。すべてに対してオープンの状況。展示スペースも準備する。参加者とのネットワーク作りに良い場所。
本日の課題はアジア全体の話。パネルも可能ではないか。(まとめ:福島)

(後半)フロアディスカッションのまとめ (司会:江上 / 動画 後半
前半のトークをふまえ、フロア全体でのディスカッションをおこないました。当日出た主なコメントは以下のとおりです。

・日本情報の海外発信について、MALUI関係者でどういうことができるかを考えたい。具体的な結論が出なくてもよい。
問題はどこにあるか?
具体的に何かできるか?
2016年 AAS in Asia 京都に向けて

・何のために国際化に乗り出すのか? 何のために海外に出て行くのか?
・博物館としては、戦争・災害による文化財被害に対する復興支援、その他文化財保護、著作権、保険など、他国との関係なしにはありえない。国際的に貢献したり、学んだりすることに意義がある。発信するだけでなくネットワーク構築をおこなう。
・海外のユーザから、日本の図書館に何があるかはわかるようになってきたが、日本の文書館・博物館等に何があるかは専門家でないとわからない。役立つ・使える資料の存在が埋もれているのではないか。そういうのが見える仕組みがあるとよい。
・史料ネットでは国際発信の実践経験を蓄積してきた。被災地の史料被害の状況を英語ブログで発信するなど。それによって海外における事例やノウハウを受け取ることができた。
・同様の記事を、ブログだけでなく、海外の日本研究者が登録するメーリングリストにも流して、ブログを見に行かなくてもメールで受け取れるような発信をしていた。
・宮城史料ネットでは東日本大震災以前から災害に備えて、宮城県内の民間所在史料の調査を進めていた。その調査で蓄積していた史料データを、日本だけでなくハーバードにも送って保存していた。そのように地域の史料の情報を日本だけでなく世界的に共有していくような活動、ネットワークのあり方が、この宮城の事例から考えられるだろう。

・日本におけるデジタル化の進行状況は?
・オープンソースのコミュニティでは、最初からデジタル化する仕組みをつくっているので、参考になるのでは。
・グローバル・スタンダードとローカル・スタンダード。ローカルな資料や文化活動の価値は、はたして評価されるんだろうか、されなくなるのだろうか。
・ローカルの現場の方がその価値をわかっていないこともあるのでは。例えばデジタルアーカイブの寿命を調査したら、行政機関のアーカイブが短かった、消去されやすい。
・科研費で作成されたデジタルアーカイブやデータベースも消えることが多い。
・これまで投入されてきた資金が死んでいっている状態。また、これまでのように資金が投入されることはなくなるだろう。

・具体的に何ができるだろうか?
・「震災」をひとつのテーマとして、例えばディスカッション、ラウンドテーブルのような中に、MALUI関係者も加わってはどうか。(ただ京都・近畿という土地柄を活かしきれてはいないが)
・ハーバード大学ライシャワー研究所で構築された「東日本大震災デジタルアーカイブ」(http://www.jdarchive.org/ja/home)は、参加型であり、創造につながる例として参考になる。
・海外からの日本情報のニーズにはどのようなものがあるのだろうか?
・ひとりよがりの国際化ではだめでいかに脱却するか。

・2016年に京都・同志社大学でおこなわれる2016年のAAS in Asiaで何かできることはないか。交流・共有・ディスカッション・ネットワーク構築など。
・例えば展示ブースなどでも出版社の本だけが並ぶのではなく、異業種の参加があるとよいのでは。
・大会本体でパネルを出す。(4-5人、複数国からの参加が必要)
・Exhibitionにブースを出す。参加者とのインタラクティブな交流ができる。(出展代は必要)
・その他もっとやりたいことがあれば、要相談。
・AASの会場とは別に外部(場所)で催す、という案。(参加者にどう来てもらうか)
・2019年ICOMのプレイベントを催せないか、という案。
・2016年世界考古学会議がおこなわれる。日本の埋蔵文化財保存の仕組みや、震災時の態勢作りなどについて、海外から注目されているという例がある。このように、何が知りたいと思われているかを知りたい。
・ニーズ・関心は非常に多様。自分たちが議論したいこと、自分たちの問題意識を出して、それが世界とどう関わるかを考えたほうがいいのでは。
・AAS in Asiaに参加しに来る海外のMALUI関係者と、日本のMALUI関係者との、交流の場を持ちたい。名刺交換会のような飲み会でもいい。
・「勝手に市民盛り上げ隊」
・2019年ICOM→2020年オリンピック
・現在のオリンピックでは、その土地での文化活動にスポットをあてた促進活動もおこなわれている。
・今後の具体的なことについては継続して、メーリングリストやFacebookを活用するとよい。

自由なディスカッションで明確な結論が出たわけではありませんが、これをふまえて今後もメーリングリストなどのツールをつかってディスカッションをつづけ、2016年に向けて何ができるかをかんがえ、実践していければと思います。
(まとめ:江上)